商業施設、神社や城などの建造物に、覗きや盗撮目的で立ち入ることは、建造物侵入罪にもあたりえます。


                
勤務先や近所の公園。自分に身近な場所がまさか「女性の下着覗き(パンチラ)の名所」と呼ばれていたら、良い気分はしないはずだ。ところが全国津々浦々の「下着がのぞけるスポット」を紹介するサイトが数多く存在する。

弁護士ドットコムニュースの取材に対し、こうした施設からは「ネットの情報には抗議しにくい」と苦しい胸の内をこぼした。

■「パンチラ見れます」。世界遺産の城も
あるサイトには「長いエスカレーターと高い天井。見上げると女性のスカートの中が丸見えになるのでとてもおすすめです」。都内の大型百貨店はこのように紹介されていた。この百貨店以外にも、サイトには全国の様々な商業施設が紹介されている。

商業施設だけでない。世界遺産や国宝指定の名だたる城、長い石階段で有名な神社などもお構いなしに掲載されていた。

城が紹介されている理由は、天守閣への階段が急勾配であるからのようだ。東京都文京区の地下鉄某駅は「強い風が吹き、スカートがめくられる」などとして「下着覗きスポット」の烙印を押されていた。

■「全国下着覗き地図」の無法地帯
槍玉にあげられたほとんどの施設が、名称と写真付きの特定可能な形で紹介されている。中には「12:00~20:00」「終日」など覗きやすい時間帯を記載しているサイトや、全国の約100地点の情報をグーグルマップに埋め込んで「見える化」したサービスまで確認できた。

このようなサイトの性格には2種類ある。

ひとつは性的な興味を露わにしたもの(例「うまくいけば一気に2人のパンチラを見ることができました」)。もうひとつは、あたかも注意喚起の形を装うもの(例「スカート姿で訪れることは避けたほうが良いでしょう」「のぞきは犯罪です。防犯目的の紹介です」)。

どちらにしても紹介の事実に変わりはなく、覗きや盗撮などの犯罪を誘発していると言ってもおかしくないのではないだろうか。

■松本城「常に警備員が監視し、注意するようにしている」
編集部では、サイトに名指しされていた全国の複数の施設を取材した。

前出の地下鉄駅を管理する鉄道会社は「下着覗きスポット」として紹介されていたことを把握していなかったが「盗撮や覗きの被害については2018年4月1日から本日(回答した1月24 日)まで、被害の報告はない」と回答。多くの施設が掲載の事実を知らなかった。

あるサイトで「国宝級に急な角度の階段」と紹介されて..

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